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君をのせて

この時季は、僕の大好きな季節。
天高く僕肥ゆる秋。
抜け毛が増えるのはイヤだけど、
お酒は美味いし(年中やん!)、
読書の秋、芸術の秋などと呼ばれるように、
一年で一番、知的になれるような気がします。


とはいえ、ゆっくり芸術を堪能する時間も甲斐性もなく、
クソくだらんテレビ番組など観て終える一日が
もったいなく感じる秋の夜長には、
せめて美味いお酒と音楽(年中やん!)で、
心を震わせる日々を過ごします。


そんな中、ここ数年のマイブームといえば、
45回転、いわゆるドーナツ盤のレコード鑑賞。
それを子供の頃に慣れ親しんだ、
懐かしのポータブルプレイヤーで聴くという趣味。
プレイヤーをテーブルの上に置いて、
ジャケットや回転するドーナツ盤を眺めながら、
好きなお酒をチビチビ(ぐびぐび)やるのがたまりません。
まさに「酔いしれる」わけです。


mp3だ?
youtubeだ?
そんなもん、ただのデータだ。
僕にとって、シングル盤っていうのは、
ポータブルプレイヤーのショボいスピーカーから出る音と、
針がレコードを擦る音を同時に聴き、
ジャケや歌詞カードを眺めながら、
お茶の間で聴くものだ。


さて今回、ターンテーブルに載せるのは、
1971年11月1日発売の記念すべきソロデビューシングル、
「君をのせて/恋から愛へ」にしよう。


君をのせて-MY BOAT FOR YOU
作詞;岩谷時子 作曲;宮川泰 編曲;青木望

恋から愛へ-PASSION TO LOVE
作詞・作曲;沢田研二 編曲:宮川泰


それにしても「君をのせて」って、
何か不思議な歌詞だと思いませんか?
感じ方、解釈は人それぞれ違うけども、
それゆえに奥深い詞だと思っています。
まあ頭の悪い僕の妄想なので、
鼻で笑っていただければ・・・。


ウィキペディアによれば、
久世さんは「男同士の友情の歌」なんだそうですが、
同日にリリースされたPYGの「何もない部屋」の
「俺たち」なんでしょうか。
後で述べますが、
1998年6月24日発売の「永遠に」を聴けば、
(作詞;岩谷時子 作曲;宮川泰)
僕は久世さんとは違う解釈をしてしまう。


 風に向かいながら
 皮の靴をはいて
 肩と肩をぶつけながら
 遠い道を歩く


冒頭は「か」づくし。
「皮の靴」というのが「何で?」。
僕が思うに「革靴」というのは大人の象徴。
憂き世の冷たい風当たりの中、
「君」と横並びで生きていく。


 僕の地図はやぶれ 
 くれる人もいない
 だから僕ら肩を抱いて  
 二人だけで歩く


輝かしい人生設計なんて絵に描いた餅。
よほどの高学歴か、よほどの金持ちじゃない限り、
与えてくれる人もいないのは、
1971年も2015年も変わりません。


 君のこころ ふさぐ時には  
 粋な粋な歌をうたい
 君をのせて 夜の海を  
 渡る舟になろう 


歩くんちゃうんかい!(笑)


でも「夜の海」というのはまさに不安の象徴。
佐野元春さんの歌にも、

 君と今夜は闇をくぐって小舟をこぎだしたい
 That's meaning of life

という詞がありますが、
夜の海を渡るという果敢な行為、
もちろん実際に海を渡るのではなく、
いわば「その心意気」みたいなものですが、
渡りきった先には何が待ち望んでいるのか!
運命やいかに!


次に岩谷時子さんが歌詞を提供した楽曲は、
1998年の「永遠に」。

 誰も知らない丘の上で  
 よりそえばよみがえる
 いつかここまで辿りついた  
 僕たちの年月


ね?
「君をのせて」と「永遠に」を聴くと、
壮大な時間の流れを感じてぐっときます。
ロマンです。
そんな妄想の上にさらに妄想を重ねますと、
「君」とはオーディエンスだとも受け取れる。
ジュリーサウンドという舟に乗り、波に揺られ、
やがて円熟したオーディエンス!


偉そうなことを云っても、残念なことに僕は
「君をのせて」はリアルタイムじゃないんですけどね、
何しろ当時は3歳児。
それでもそれなりのファン歴。
「オレは腐らず、芳醇なお酒のように円熟できただろうか」
そんなことを考えながら夜ごと酔っ払う、
中年オヤジの秋。


そういう風に少々「きゅん」となる「妄想聴き」も有り。
自分の中では他にも数パターンあるんですけど、
それはまた別の機会に。
とにかくジュリーサウンドはBGMでは聴けないゼ!





 
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