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MIS CAST 聴き比べ

先月の「S/T/R/I/P/P/E/R」に続いて、
96年の「MIS CAST」と、
先月26日に発売された「MIS CAST」を聴き比べてみました。



ロックジェットVOL.56でも語られたように、
このアルバムは白井良明さんが最高の仕事をされています。
当時のロックアルバムとしては斬新なアイデアが随所に盛り込まれ、
その骨子となるのは演奏のEXOTICSだ。


井上陽水さんの楽曲の世界観も、
それまでのジュリーワールドから離れた異空間。
正直、はじめてこのアルバムを聴いたとき、
この歌詞の世界についていけなかった。
前作の「A WONDERFUL TIME」の歌詞はすごくキャッチーで、
都会的でポップな歌詞とロックの融合というか、
佐野元春や伊藤銀次、杉真理などの作品、
つまり大瀧詠一の影響が色濃い作品群に並ぶアルバムだった。


それが、この「MIS CAST」ときたら、
♪ため息までがフ  
お茶まで熱くてフ  
みんなで食べるステキなチャイニーズフード♪
だもの。


出会ってから45分後には、女性のドレスを脱がしてしまう達人。
かつては、そういうシチュエーションにも、
モーニングコーヒーが沸くまでは、
後悔や懺悔をする可愛げもあったけど、
今作はおそらく、そういうのもないだろう。
ニキビ面の中学生だった僕に、このアルバムは刺激が強すぎた。
「井上陽水はやりすぎだ!」と、少し憤慨した記憶もある。


しかしそんな異空間も、ジュリーが歌えばジュリーの世界になる。
「沢田研二ショー」で「チャイニーズフード」を歌うジュリーは妖艶だった。
はたして中華料理を食うくらいで、
そんなにセクシーにはならんやろ、ふつう・・・。とは思いつつも、
井上陽水さんと深夜のデパートで共演した特番で、
「How Many "Good Bye"」はロックだった。


正確にいってやろうか、思い切り言ってやろうか?
このアルバムはビートルズでいうところの「リボルバー」だ。
「リボルバー」はライブ向きのアルバムではなかったけど、
「MIS CAST」はライブにもジャスト・フィットだ。


そして2014年、デジタルリマスター。
まず、全体のサウンドがより重厚、パワフルになった。
各パートがしっかり聞こえるのが手放しで嬉しい。
ギターパートなんて、今まで気づかなかったというか、
ここは「キーボードだろう」と勝手に解釈していた部分とか、
ちゃんとコピーできていなかったところもあって、反省!
もう、これを聴いたら96年盤を聴くのには抵抗があるくらい、
たくさんのいろんな音の輪郭がくっきりして、
つくづく白井良明さんが「いい仕事」をしているのが分かる。
レコーディング、楽しかっただろうな。


しかもこれだけ詰め込まれた音の中で、
ジュリーの声が全然負けていない。
「デモンストレーションAir Line」のコーラスパートもよく聞こえる。
個人的には「背中まで45分」と「次のデイト」は、
大音量で聴くことをオススメ。
「ジャスト フィット」のギターの厚み、
全編を通じて、建さんのベースのセンス、
何より「ロックオペラか!」という迫力、ラストの「ミス・キャスト」まで、
皆さんにも、このデジタルリマスター版で、じっくり聴いてもらいたいです。
最後のジュリーの「叫び」は、何度聴いても鳥肌モンです。
これにゾクっとくる人とは「握手」したいです。



 

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ROCK JET VOL.56

発売中の雑誌「ROCK JET(ロックジェット)」のVOL.56、
昨年のザ・タイガースのライブ写真の他、
ザ・タイガースや沢田研二について、
白井良明さんや八島順一さんが、熱く語っています。


また「三年想いよ」についての記事、
そして白黒ですけど、音楽劇「悪名」の写真も。

お好きな方はぜひ!



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梅に鶯、松に鶴


音楽劇「悪名」、昨日観てきました。
「ぴあ」で購入したチケットは、
偶然にも1時30分の部と、6時の部、2枚とも24列25番という同じ座席。
最後列のど真ん中。
遠い席でも強い味方の軍用望遠鏡を持って、
じっくりと音楽劇を満喫してきました。


僕は映画「悪名シリーズ」のファンでもあるので、
あの暗いテーマソングが流れた段階で、ワクワク。
冒頭の朝吉とお絹の会話も「新悪名」の台詞と一部同じ。
(ただし映画ではこの段階で証文は破ってしまいます)
「びっくりぜんざい」というのも、
「新悪名」のエンディングで清次が口にした
「びっくり雑炊」からきているのか。


また因島の女親分、シルクハットの親分、らんちゅうのおぎんなど、
「悪名シリーズ」の主要登場人物も出てきたけど、
こちらは映画を観ていない人にはピンとこなかったかも。
琴糸のくだりも、まず一作目を見なければ分かりにくいかもしれません。
水谷良重さんが演じた本物の琴糸さんは、
1作目、2作目は元より、4作目、10作目にも登場します。
映画「悪名」の世界観は、とにかく「因縁」めいていますから、
興味のある方はぜひDVDをレンタルして、ご覧ください。


映画「悪名シリーズ」ファンをニヤリとさせるエッセンスも満載、
真っ正直で弱いモンの味方、「ド根性」がパワーの源の朝吉と、
知恵が回り、ボクシングを主体としたケンカをする清次。
今までの音楽劇にはなかった殺陣も見られたり、
ジュリーの髪型、ジュリーの河内音頭など、
驚かされたことも多かったです。


また夜の部の、サンドイッチマンのくだりでは、
『コント「サンドイッチマン』といえるようなアドリブで大爆笑。
その直後のいしのようこさんも、
笑いすぎてすぐに芝居に入れなかったほど。
ジュリーと野田さんのコンビ、いいなぁ。
この名コンビの作品、「探偵」同様、シリーズ化して欲しいです。


そして柴山さんです。
ライブでインストが聴けなくなってしまって数年。
ここまで柴山和彦のギターを堪能できる機会も少なくなってしまいました。


「ザ・バッドボーイズ・リターン!」という副題の音楽劇ですが、
関西のバッド・ボーイズにまじって、
横須賀のバッド・ボーイも、スカジャンを着て参戦。


もう、圧巻の一言につきます。
ロバート・フリップか!
ジミヘン風、ブライアン・セッツァー風、ライ・クーダー風などなど、
あらゆるスタイルのギタープレイが聴けました。
さらに任侠映画風サウンドまで聴けるとは!
使用ギターも久々の白のストラト、ギブソンES-335、
ヤマハのアコギ、フェンダーのエレ・ガットの他、
フルアコと、赤いエピフォンのシングルカッタウェイのセミアコ。
足元にはエフェクターがいっぱい。


音楽劇でこんな個性的なギターを弾いていいのか!
いいんです、沢田研二の音楽劇ですから、
むしろ、柴山さんのギターでないとダメだ!


長年柴山さんのギタープレイを追いかけているから、
いつも「歌詞」をギターに歌わせていることは分かっているのですが、
今回も台本を読み込んで、音楽劇「悪名」の登場人物たちの感情を、
見事にギターで演じていることには、
すげェ!としか言いようがないんです。


「梅に鶯、松に鶴、朝吉親分に清次兄い」
これは朝吉・清次の関係の深さを花札の図柄に例えた、清次の粋な台詞。
花札には他にも藤に時鳥、牡丹に蝶、萩に猪、紅葉に鹿、柳に蛙・・・。
これ、バクチをご存じない方には豆知識ね。
そして僕は「沢田研二に柴山和彦」というカップリングを追加したい。


ホンマ、ジュリーからまたすごいエネルギーをもらいました。
今日からまた「三年想いよ」のライブまで、
「ド根性」で頑張ります。


オマケ「悪名市場」のワンシーン


「悪名一番」の名シーン、その2と続けてご覧ください。





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パープル・レイン


ここ最近、プリンス&ザ・レヴォリューションの84年のアルバム、
「パープル・レイン」を、久々によく聴いています。
大ヒットしたアルバムですが、
30年経ってもすごい作品だなと思います。
「80年代のロック」と一言で片づけるわけにはいかない、
「カッコよさ」と「気持ちよさ」。
今になって、このアルバムのギターをすごくコピーしたい。

 
ロバート・ジョンソン

ジミヘン

プリンス
 

この先駆者の系図は言い過ぎだろうか。
ロック、ブルース、ソウル、ファンク、サイケデリック、パンク、
音楽のカッコいい要素がたっぷり。


84年といえば、僕は未熟な高1でしたし、ヒネくれていたもので、
素直に絶賛していなかった。
蔓延していた洋楽、MTVの中の1枚としか捉えていなかったし、
猫も杓子のその風潮を冷めた目で眺めていたんだけど、
その後、いろんな音楽と出会ったことによって、
このアルバムの放つパワーを感じるようになりました。


夜更けに大音量で聴くと(さすがにヘッドフォン)、
ゾクゾクっと震えてしまう。
1曲目の「レッツ・ゴー・クレイジー」から、
ラストの「パープル・レイン」まで、
曲順も完璧だと思います。


あと「you」を「u」とか、「to」を「2」、「for」を「4」など、
タイトルや歌詞の表記も、プリンスは先駆者だった。
一緒に口ずさみたいけど、
歌詞やクレジットが僕の苦手な筆記体。
僕のは輸入盤なので翻訳もなしなんだけど、
それでも満足、繰り返し聴いてしまう、家宝の1枚です。




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