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雀百まで踊り忘れず
幼い時に身につけた習慣や若い時に覚えた道楽は、
いくつになっても直らないというたとえ

僕が人生で一番最初に「将来の夢」を発表したのは、
幼稚園の卒園アルバムだ。
大人になったら何になりたいか、という設問で、
僕は堂々と「仮面ライダー」と答えている。
 
我ながらトホホと嘆かわしく思う半面、
得意満面で変身ポーズを決めている幼児期の自分の写真をみて、
ライダーに夢中だった日のことを思い出す。
 
仮面ライダーは「ごっこ遊び」がしやすかった。
誕生日に買ってもらった変身ベルトをして、首にスカーフを巻けば完成。
僕はV3派なので、上着のエリを立ててました。
同じ商店街に住む幼馴染とママゴトをしても、
僕の職業は仮面ライダーで、砂や葉っぱで作られたご飯を食べたら、
「ちょっと怪人倒してくるわ」と補助輪つきの自転車で近所を一周。
 
住んでたのが商店街なもので、一周回ってる間に、
僕の小芝居に付き合ってくれる奇特な大人たちもいて、
怪人(商売中のおっちゃんやお兄ちゃんたち)に、
パンチやキックの2〜3発をぶちかまして帰ると、
また砂の食事が待っている。
 
それにしても当時のおっちゃんたちは寛容だったなと思う。
いくら同じ商店街の散髪屋の孫、
ヨシモトさんちのトミちゃんとはいえ、
いきなり「出たな死神博士!」とか「コブラ男!」なんて、
今ならちょっとした悪口だ。
よくドツかれなかったものだ。
しばしば捕らえられて、羽交い絞めにされたり、
振り回されたり、逆さに持ち上げられたりもしたけど。
  
「ライダーごっこ」の醍醐味は、
やはり高いところからの飛び降りだといえよう。
フェンスやトラックの荷台、公園の遊具、階段など、
段差のあるところから、
「トゥ!」とジャンプぎみに飛び降りるのだ。
 
この「ライダージャンプ」は番組放送当時、
ちょっとした社会問題になったらしい。
ライダーごっこでケガをする子供が続出。
しまいには番組の最後に、本郷猛と一文字隼人が、
子供たちに注意を促すメッセージを出したくらいなのだが、
昭和の男の子にとっちゃ、遊びにケガは当たり前。

擦り傷なんてツバをつけとけば治るもので、
絆創膏すらなかなか貼ってもらえず、
せいぜい赤チンを塗っとけば御の字だった。
そのくらい「真剣」に遊んでいたんだなぁ。
いや、真剣にやらなければ、遊びも面白くないのだ。
 
仮面ライダーの美学を語るうえで
僕がもっとも声を大にしたいのは、
必殺技が「生身の技」だというところ。
武器を使うことも、光線を放つこともなく、
美しいフォームでトドメを差す。
ライダーキック!
これは今もDVDや動画で見惚れるところだし、
怪人たちが爆発するところは爽快だ。
 
何より昭和ライダーにおける火薬の量!
平成ライダーにはできない芸当だ。
特にV3のオープニングの爆破は圧巻でスリル満点。
ぜひ動画をご覧いただきたい。
爆破の火薬やセメントの配合に職人技を感じるし、
スーツアクターも命がけ。
もはやこんなんハリウッドでも撮れないと思う。
どうしてもっと高く評価されないのか。

 
 
それはさておき、
「へんしん〜!」
少年時代、僕はそのセリフを何度叫んだだろう。
成長とともにいつの間にか口に出さなくなったコトバだ。
仮面ライダーになる夢はいつしか潰え、
つぶしのきかない年齢だけが残った。

しかし五十路になっても、
実は密かに「仮面ライダーごっこ」を続けている僕。
「出たな、ガマ獣人!」
先日も心の中で叫んだばかり。
 
あるいは洗車中に脚立から飛び降りるとき、
とっさに「トゥ!」と掛け声を発してしまう。
試しに鏡の前で変身ポーズをとってみたら、
意外となかなか切れがよかった。
  
「雀百まで踊り忘れず」
  
だけど本当に忘れてはならないのは、
正義の心を持ち続けること。
なのに時々、僕の心に怪人が乗り移る。
ウソをついたり、小狡いことを考えたり、
見てみないふりをする。
こんなんじゃ風見志郎に申し訳がたたない。
深く反省しよう。
 
 
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