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EXOTICS と ネオアコ


1983年の秋、EXOTICS 唯一のアルバム「ライブラリー」が出た。
 
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セールス的にどうだったか知らないけれど、
僕は同時期にリリースされた「女たちよ」と並んで、
その時代で最先端のブリティッシュサウンドが
集約された名盤だと思っている。
   
   
で、今回はそこら辺を解説してみようと思う。
僕の「音楽聴き」はグルメと一緒で、
素材は何か、ダシの決め手は何かなど、気になる性格。
 
    
83年頃はニューウエーブの時代。
これらの多くは、パンクロックからの進化系である。
パンクと電子音楽が結びつき、
ある種の芸術的なサウンドが生まれ、
さらにワイルドかつ破壊的なファッションから、
洗練された都会的なビジュアルへと変化した。
なのでここでは「新世代パンク」と呼びます。
 
 
日本の「ニューミュージック」っていうのは、
フォークソングがよりポップになったものが多くて、
ビートの強弱で「ロック」と「ポップス」が分類されているんだけど、
JULIE&EXOTICS は「歌謡曲と新世代パンク」だと思うんですよね、
とくにシングル。
「新世代パンク」の中でも「ニューロマンティック」というのですが、
アダム&ジ・アンツやバウ・ワウ・ワウなどのビートや、
あるいはVisage、スパンダー・バレエなどの影響が色濃く、
日本のロック界に革新的な衝撃を与えました。
  
  
で、EXOTICS の「ライブラリー」なんですけど、
日本語の歌詞をのせてはいるけど、
これぞ「新世代パンクのライブラリー」です。
中でも特筆すべきは、
「ライブラリー」は「ネオ・アコースティック」というジャンルを、
日本で一番最初に取り入れたアルバムではないかということ。
  
  
「ネオアコースティック」、通称「ネオアコ」。
パンクのスピリットを持ちつつも、
電子音楽との融合を嫌い、
アコースティックを主体とした、ポップなサウンド。
  
  
「ネオアコ」を代表する作品といえば、
ロディ・フレイム率いるアズティック・カメラの、
同じ83年にリリースされた名盤「high land hard rain」。
このときロディ・フレイムは若干19歳ですが、このセンス!
今聴いても全然OKですからね、
「ライブラリー」愛聴者ならびに柴山さんファンにとってムフフなこの曲、
Oblivous 思い出のサニー・ビートをぜひ聴いて。
 

 
他にもオレンジ・ジュース、フェルトなんかにも、
「ライブラリー」と同じ匂いを感じていただけるはずです。
そして「日本のネオアコムーブメントの先駆者はEXOTICS」だと、
僕は声を大にして言いたい。
 
Orange Juice - Falling and Laughing  

 
Orange Juice - Rip It Up

 
Felt - Evergreen Dazed

  
  

| 柴山和彦さんのこと | comments(2) | ブログトップ |
ネオアコっていうと、スウェディッシュポップとか渋谷系だとかを思いだすけど、英国パンクの流れを汲んでいるのですか、ふ〜む。
リンク張っている1曲目を聴くと、なるほどムフフと納得しました。
その曲は、探して判明したのですかね、それとも洋楽を幅広く聴いてるうちに見えてくるんでしょうか。いずれにせよ脱帽します。
Posted by: 裕史 |at: 2015/12/28 12:43 AM
ジュリーサウンドにいいダシを出している素材の探求は僕のライフワークですので、気になるアーティストやジャンルを見つけると、持ち前の習性でザクザク聴いてしまいます。特に英国ロックは奥が深いです。

アズティック・カメラのこのアルバムはリアルタイムで聴いていましたが、ジュリーサウンドと結びついたのは、だいぶ経ってからでした。それでまたネオアコに興味がわいて、中古レコード店めぐり。
まあ、いつもこんな感じです。
Posted by: yasutomi yoshimoto |at: 2015/12/28 11:33 AM









 

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